柿草里廃村(早川町)【前編】
山梨県早川町に残る、柿草里(かきぞうり)の廃村を訪ねた。
富士川の支流である早川沿いにある早川町自体、山間に集落が点在する人口わずか千人ほどの小さな町。
日本一人口の少ない町だそうだ。
その中でも山奥の外れになる。
対岸が朝霧で霞む谷を見下ろしたところ。
下を流れるのが早川だ。
下の集落の標高が470m、ここが590mだからわずか120mほどの差だけれど、ずいぶん高い感じがする。
この村に来るにはこの急な山道を登ってくるしかない。
早川は暴れ川で、1907年(明治40年)大洪水に見舞われたあと、大正になってこの高い所に住まいを移したのが柿草里集落の始まりなんだそうだ。
その時の慰霊のためのものなんだろうか。
集落につながる山道に入ると、すぐにこのお地蔵さまが迎えてくれた。
急な坂道をさらに下ると……
杉林の向こうに数軒の建物が見えてきた。
これが柿草里の集落だ。
そしてこれが集落のメインストリートということになる。
でも頭上には倒木が寄りかかったままだし、陽の当たらない石壁にはすっかり緑の苔が版図を広げてしまっている。
塀の向こうの建物を見てみると、もうこんなに傷みが進んでいる。
かつては全部で7軒の家を数えたそうだが、50年ほど前にはすべて無人になったとか。
せっかく下の川沿いから移ってきたのに、わずか60年ほどで再び村人から見離されたことになる。
不便だったんだろうね。
さらに奥に進んでみよう。
柿草里廃村(早川町)【後編】に続く。
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