秩父の里の大正・洋館
埼玉県道37号線をら北へ、秩父盆地のほぼ中央に位置する小鹿野町という所に差し掛かった。
旧小鹿野村は江戸時代から続く由緒ある集落だ。
すると道沿いに白亜の洋館。
え こんな秩父の奥に~!?
(失礼)
思わずクルマを停めて観察してみる。
木造の洋風建築と、その隣には鮮やかな白い3階建ての塔屋が並んでいる。
あとで調べると、このロマネスク調の洋館は1923年(大正12年)竣工で、かつては地元の大手酒造会社である『旧近藤酒造』の建物だったそうだ。
小鹿野町の有形文化財に指定されている。
中央の木造洋館は幅の広い下見板張り。
窓や放射形の柱など、さまざまな意匠が凝らされている。
隣の印象深い尖塔を持つ純白の塔屋は鉄筋コンクリート造りで、こちらにも凝った意匠が施されている。
近藤酒造(近藤銘醸)は江戸中期の1752年(宝暦2年)創業という老舗の蔵元で、この建物は大正時代の当主・近藤伝重郎氏が店舗兼住居として自ら設計したものだそうだ。
250年もの伝統を持つ近藤酒造だったが、後継者不在ということで2004年(平成16年)にその歴史に幕を告げた。
これに伴いこの洋館も解体される筈だったところ、地元のワイン醸造会社が保存のために買い取り、現在補強工事を行っているところなんだそうだ。
やがてワイン蔵として内部も開放するとのこと。
壊されなくって、良かったね。
・勝沼の三階建て土蔵はこちら。
・龍ヶ崎・赤いレンガの西洋館はこちら。
・藤枝の三階建てお茶洋館はこちら。
・華麗なる一族の廃洋館はこちら。
| 固定リンク
「旅行・地域」カテゴリの記事
- 稲又川橋が消えた(2021.12.12)
- 「波の伊八」の飯縄寺(2021.06.08)
- 巨大鳥、千葉に飛来(2021.06.04)
- 南極で地震(2021.02.05)
- 移住したい国(2021.01.25)
「歴史」カテゴリの記事
- 鳴かぬなら、どうしましょ、ほととぎす(2023.04.23)
- 怪我の功名だったかも(2019.12.26)
- ツタンカーメン王の頭像、6億円也(2019.07.05)
- 『インカ神殿』再び(2017.12.28)
- 清水沢の百庚申(2017.12.22)
コメント