忘れ去られたアーチ橋台【後編】
忘れ去られたアーチ橋台【前編】から続く。
アーチの真横から、向こう側を見通してみる。
美しいアーチ部分を通したその向こうには、新線の高架が美しく映えている。
当然のことながら、建設当時にこちらの高架はなかった訳だから、まさかこのアーチ橋台を築いた旧線の技術者も将来こんな風景になるとは想像もしなかったことだろう。
さらに伝って橋台の先端部分まで回ってみると、管理用なのだろう、上部まで登れる古びた鉄製のハシゴ段が取り付けられていた。
残念ながら、かなり傷んでいるので取り付くのは差し控える。
万一落ちたら、下は笹子川だものね。
再び橋台の上に戻り、先端部から対岸を見渡してみた。
中央本線は高架で笹子川を渡り、新天神山トンネルへと吸い込まれていく。
ちょっと林を挟んだその左手に、反対側の橋台があるのがわかるだろうか。(矢印)
おそらくプレートガーダーだったろう旧橋は、その後どうなったんだろう。
どこかでまた第二の人生を送っていたらいいな。
そんなことを想像していたら、折良く新線を電車が通り掛かった。
それも上りと下りと同時に。
そう、そうした往復の通行ができないからこの橋台は打ち棄てられたんだよね。
そしていま、ごく稀にこんな変わり者のおっさんが訪れるだけの所になっている。
【お終い】
現役当時の写真発見記事はこちら。
現場で撮影したよくわかる動画はこちら
↓
・中央線遺構・立場川橋はこちら。
・中央線遺構・日野春駅給水塔はこちら。
・中央線遺構・須玉九差路交差点はこちら。
・中央線遺構・旧深沢トンネルはこちら。
・中央線遺構・旧横吹第2トンネル西口はこちら。
・中央線遺構・旧横吹第2トンネル東口はこちら。
・中央線遺構・旧笹子トンネルはこちら。
・中央本線遺構の小ネタはこちら。
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