大ビャクシンと穴開き柄杓
南伊豆の隠れた名所、「白鳥神社の大ビャクシン」を訪ねた。
三方を山に、そして前方を海にした吉田はまさに「陸の孤島」。
鎌倉みたいなものだろうって?
いやいや、鎌倉なら海沿いに道があるが、ここはそれすらない。
西伊豆を走る136号線から山越えの狭い道が1本だけ。
これが吉田の海。
冬場の今はサーファーが数人訪れるだけ。
伊豆にはたくさんある民宿も、ここにはたった1軒だけだ。
「隠れた穴場スポット」というのもよくわかる。
ほとんど隠れてる。
海から目的の神社へ向かう道はこんな感じ。
「旧街道の石畳です」と言ったら、きっと信じてもらえるに違いない。
そして山裾に佇む「白鳥神社」に着いた。
石段の手前に大ぶりの枝を広げているのが名物の「大ビャクシン」だ。
樹齢、800年。
根回り4.1m、樹高10mという。
集落の中でも海岸から一番近い場所に位置するので、これまで何回も津波の侵略に耐え抜いてきたんだろう、存在感がある。
静岡県指定天然記念物に指定されている。
神社の奥へと進むと、古びた社。
白鳥神社は1974年(昭和49年)の伊豆半島沖地震で落石の被害を受けたため、地震後、社殿を西側に移築したとされている。
もっと歴史を感じさせるから、建物自体は旧来のものなのかも知れない。
目を引くのが扉に吊り下げられた柄杓(ヒシャク)の数々。
いずれも底に穴が開けられていることがわかる。
穴が開いてたんじゃ、柄杓の役目しないよね。
穴の開いた柄杓には、水がスッポリ抜けることから安産の神様とも言われるが、こんな伝説もある。
ある日漁師が海に出ると、海坊主が現れた。
海坊主は恐ろしげな声で「柄杓を貸せ~」と船乗りたちに迫った。
しかしうっかり柄杓を渡してしまったら最後。
その柄杓で海の水を汲み入れられ、船は沈められてしまうのだ。
そのため、船には穴の開いた柄杓を置くようになったそうな。
信じるか信じないかは、あなた次第。
・上沢寺のさかさイチョウはこちら。
・実相寺の神代桜はこちら。
・笹子峠の矢立の杉はこちら。
・追原廃村の大カエデはこちら。
・牧丘廃校の大トチノキはこちら。
・倉沢廃村の大ヒノキはこちら。
・笛吹市の大ケヤキはこちら。
・根古屋神社の大ケヤキはこちら。
・比志の大エゾエノキはこちら。
現場で撮影したよくわかる動画はこちら
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コメント
地図を見ても、本当に何もありませんね。
でも、ビャクシン見るだけでも良い所です。
民宿に泊まって、この辺廻りたい!
投稿: せいざん | 2016.02.17 14:12
せいざんさん
はい、ほんと世間の騒擾からは隔絶された静かな別天地であります。
近くの『二十六夜山』という変わった名前の山には歴史があるそうなんですが、まともな登山道もないみたい。
登ってみたいけれど、わずか300mの山で遭難するのは恥ずかしいし。
投稿: ピーちゃんの身元引受人 | 2016.02.17 15:02