【遺構】奥川森林鉄道跡を歩く(前編)
福島県西会津町の山中に残された『奥川森林鉄道』の跡を訪ねた。
奥川は、福島県に源流を持ち新潟県を流れ日本海に注ぐ阿賀川の支流。
その流れに沿って大正元年に開通したのが奥川森林鉄道。
石塚森林鉄道 (C)「森林鉄道情景」
明治から昭和に掛け、山奥で切り出した材木を運び出すために、各所にこうした森林鉄道が作られたんだね。
すでに廃道となった国道459号の旧道から奥川の方を見降ろすと、何やら構築物が。
森林鉄道の橋台だ。
橋台とは鉄道の橋脚を渡すための土台部分。
間違いない、奥川森林鉄道があそこを走っていたのだ。
降りられそうなところを見つけ、急な崖を下る。
すると現れた軌道跡。(石積みの右手上部)
崩落した部分も多いけれど、一部にはまだこれだけ良好な軌道跡が残されているんだね。
苔むした石垣は軌道の路盤を支えるもの。
山中にこれだけしっかり残っているのは感慨深い。
でもちょっと進めばこの通り。
まるで通行止めを宣告するような枯れ木の芸術。
森林鉄道が廃止となったのは昭和35年(1960年)のことだから、誰も通らなくなってもう60年近くの時間が経過しているものな。
廃止になった森林鉄道跡ではたいていこうした倒木が邪魔をする。
そこを歩く困難さは、静岡のここや、埼玉のここなんかと同様だ。
足元のはるか下、奥川の流れはこんな感じ。
北国のこと故、この時期は雪解け水で水量が多い。
冷たいだろうし、なるべく落ちたくはない。
写真右手の、樹々の色が違った辺りに目的のものがある。
もう少しだ。
クリックすると拡大します
東北電力の取水堰を見送り、さらに進むと再び路盤跡が荒れて来た。
すると突然目の前の路盤がなくなり、飛び込んで来たのがこの衝撃的な光景だ。
小さな沢を鉄道が越えるためなんだろう、苔むした見事な橋脚が並んでいる。
なんとカーブした4連だ、素晴らしい。
奥川森林鉄道跡【後編】に続く。
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コメント
おお。なかなかの難所ですね。
しかも森林鉄道が走っていた跡を歩けるのですか・・
静岡のここ・・・は静岡のあれ・・だと思ったら
私のまだ知らないすごい場所があったんですね。
今度行ってみようかな。(静岡にですが)
投稿: いはち | 2017.05.17 10:11
いはちさん、こんにちは。
ここは崩落箇所がいくつもあるので路盤跡をずっと通しては歩けません。
でも基本的に並行する旧道があるのでエスケープできます。
静岡の大間川のほうは片道4時間はきついですけど通して歩けます。
逃げ道はありませんが。
トンネルが多いので単独行は怖かったけど、ヒョングリに凝っていたもので釜滝見たさで頑張りました。
当時は林鉄にはあまり関心が無かった……(~_~;;
投稿: ピーちゃんの身元引受人 | 2017.05.17 10:29