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【遺構】奥川森林鉄道跡を歩く(後編)

奥川森林鉄道跡【前編】から続く。

Okukawa_04
古びたコンクリート製の橋脚には長円形の穴が明けられているのでそこにカメラを差し入れて撮影してみた。
そこからの景色はこんなアートな風景。


 クリックすると拡大します
Okukawa_00
これは反対側の沢上部に登って撮影したもの。
川の流れが勢いよく白いのは、滝ではなく取水堰から絞って落とされたため。
左手の崖には降下に使ったロープが見える。
この画角がこの遺構の一番良い表情かも。


Okukawa_05
上から見降ろすと、橋脚の上部には鉄製のスタッド(埋め込みボルト)が残されていた。
頼りなさそうなボルトだが、これで橋梁を固定していたんだろう。
その長さから推定すると、おそらく渡された橋梁は木製だったのではないか。
赤錆びた表情が、廃止されてからの長い年月を物語る。


Okukawa_06
沢の下側に回って見上げるとこんな感じ。
当時は場違いだったろうコンクリート製の人工物も、色褪せた今は不思議に溶け込んでいる。
これまたいい風景だね。


 (マウスを置くと画像が切り替わります)
Okukawa_07
柱の一本には『昭和弐年十月竣功と、ペンキで記されている。
すると完成からもう90年。
しっかりしているようだが、よく見ると橋脚のコンクリートにはかなりの傷みが見てとれる。
コンクリートの寿命も100年というから、これらもそのうち崩れ落ちてしまうのだろうか。
【鉄道自体の開通は大正元年(1912年)と記録されているので、記された竣功時期が事実であるならこの沢は当初木橋で渡っていたものと思われる】

静かに、そしていつまでも残って欲しい遺構だった。

・秩父・滝川森林鉄道跡はこちら
・小海・渋森林鉄道跡はこちら

現場で撮影したよくわかる動画はこちら
                

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