明治の遺産『森村橋』(小山町)

静岡県の小山町といえば、富士スピードウェイがある町……
ではなくって、富士紡績という日本有数の紡績会社があった企業城下町。

Morimura_01
これは東海道線(現在は御殿場線)の駿河小山駅から、富士紡績小山工場まで引かれていたトロッコ線路の一部だった『森村橋』だ。
線路跡はもう窺い知れない。
なお森村というのは富士紡績の創業当時尽力した森村グループ創始者の名前に由来しているそうだ。


Morimura_02
全長39mで、1906年(明治39年)の完成。
下路曲弦プラットトラスという形態で、日本人が設計・施工した黎明期の鉄骨トラス橋として国の有形文化財に指定されているが、錆が目立つなど保存状態はあまり良くない。


Morimura_03
橋の下を覗いてみると、レンガ造りの橋台が見える。
黒レンガで彩りを添えるなど、明治の人のハイセンスが窺い知れるね。


・新城市の黄柳橋はこちら
・秩父の廃吊橋はこちら
・勝沼のめがね橋はこちら
・笹子の笹子川橋台はこちら
・修善寺の高橋橋はこちら
・早川町の保2号桟道橋はこちら
・東名の皆瀬川橋はこちら

| | コメント (0) | トラックバック (0)

東名・巨大アーチ橋の競演

見よ!
このみごとなアーチ橋の競演を。

Minasegawa_01
これは神奈川県山北町にある、皆瀬川橋。
3本も並んでいるが、すべて東名高速道路のもの。
この部分にまだ新東名(第2東名)は建設されていない。


Minasegawa_02
横から見ると、こんな感じ。壮観だね。
1969年(昭和44年)の完成。
当時は上りと下りの2本だったが、1990年に拡幅工事に伴い下り線が右ルートと左ルートに分けられたため1本追加。
それで同じ形式の橋が3本も並ぶことになったんだね。
ちなみに橋の形式はすべて補強材が縦に並んだ『上路式逆ローゼ橋』というもの。


Minasegawa_06
しかも3本すべてがトンネルを出てすぐに橋というシチュエーション。
素人考えだけど、こういう条件も建設をかなり難しいものにしているんだろう。
上を通っていると意識しないけれど。


Minasegawa_04
反対側は橋の土台部分まで行けるので探索してみた。
あれだけの巨大な橋も、土台の取付は1本(3本だけど)のピンに頼っているんだね。
しかも3個とも、取り付けは水平でなく微妙に傾けられているのがわかるかな。


Minasegawa_05
この角度ならわかるでしょ。
右のと左のとが対称になってないものね。
どういう必然があるのか、こんな所でも難しい工事をしてるんだね。

なお建設当時、現場で振動測定をしたところ、まったく車両が通行がないにも関わらず常に橋が揺れ続けているのが観測されたそうだ。
実はここ、狭い谷間に架けられているので、谷風が強く吹き抜けるためなんだって。
大丈夫かい。

・第二東名・新富士川橋はこちら

| | コメント (0) | トラックバック (0)

発見! 旧『第三笹子川橋梁』写真

前に探索記事を書いた、中央線の第三笹子川橋梁
まだ旧線が健在だった頃の、古い写真が残されているのを見付けた。

Sasago_old
こちらが当時の絵葉書に残された見事なトラスの『第三笹子川橋梁』。
同じ中央線の大呼戸橋梁を彷彿とさせる。。

Sasago_new
こちらはほぼ同じ位置からの現在の状況
見えるのがコンクリート製の新橋で、旧橋はその向こう側になるが、もちろん橋部分はすでに解体されて現存しない。
まだ残るアーチの初狩側橋台(左側)は今すっかり林の中に隠れているが、昔は甲州街道からも良く見えていたんだね。

| | コメント (0) | トラックバック (0)

【廃道】橋の下に隠れた旧県道(早川町)

リニア新幹線穴掘り探索の折り、早川町の県道下に残された廃道を探索した。

県道37号(南アルプス公園線)に懸かる古びた橋。


古びた銘板には『保2号桟道』とある。
昭和60年(1985年)の完成だそうだ。
実はその前に使われていた廃道がこの下に隠れていて、それを見に来たのだ。



橋の下を覗くとそこは雑草が生い茂っていて定かではない。
ここにほんとうに昔の県道なんかあるんだろうか。



目を凝らせば、見えるではないか白くて長いものが。
間違いない、ガードレールだ。
でもその先は大きな岩にぶつかっている。
ということは……
トンネルがある筈だ。



それを確かめるべく、橋の下に降りた。
実は、前にも来たことがあるのだが、その時はロープの準備がなく降りることができなかった。
今回はバッチリ準備万端だ。



そして廃道跡に降り立った。
って……
どこが道路なんだよ。(((‥ )( ‥)))


でもヤブを掻き分け、先に進んだら上から見えたガードレールが現れた。
こちら側から見れば、まだこんなに健在じゃないか。



それにしてもこの岩肌は迫力があるな。
しかし幾層にもなっていて崩れやすそうだ。
ちょっぴり気味が悪いけれど、すぐ近くには昔金鉱山があったというからこの層の隙間にも金鉱脈が隠れているのかも。
金隠しか。



しかも、岩の下には坑口?とむおぼしき穴。
残念ながら、穴はすぐに行き止まり。
ちなみにこれは道路に対して横方向なので、県道のトンネル跡ではあり得ない。



そしてやっと(!?)たどり着いた、これが旧県道のトンネル。
橋の上からでは角度的に確認しにくい位置関係になっている。
残念ながらコンクリートで完全封鎖。
せめて金網か柵にしてくれれば良かったのに。

僕のような輩の侵入を阻む目的もあるんだろうけど、もしこの穴を放置して崩壊してしまうと現道にも影響しかねないのでコンクリートで塞いだんだろうね。
「穴」がち、そういうことかも。
わずか15分ほどの探検、これにて完了。
ロープで降りるのは簡単だが、登り返すのは難儀する。

現場で撮影したよくわかる動画はこちら
                

・大崩海岸・石部トンネル跡はこちら
・熱海の超ヘアピントンネルはこちら
・大井川鐵道の極小トンネルはこちら
・伊豆・柏峠の廃トンネルはこちら
・ねずみの歩道橋はこちら
・市原の大臣橋はこちら

| | コメント (0) | トラックバック (0)

高橋橋

(マウスを置くと画像がアップします)

Takahashi

もう、『高橋』でよくね?

| | コメント (0) | トラックバック (0)

中央本線遺構そこここ

旧笹子川橋台は大きな中央本線遺構だったが、小さなものなら近くにいくつもみられる。

Old_brd_01
例えばこれは、笹子駅近くの橋台跡。
下はほとんど流れのない水路なのだが、それでもこれだけ立派に石垣の橋台が両側に残されていた。
奥に見えるのが現行の中央本線になる。


Old_brd_02
もう少し初狩駅寄りに行くと、現行の橋の隣に旧線のものがそのまま歩道用に使われている橋梁があった。
この石のすぐ近く。
路盤に敷かれたしっかりした木材は古い枕木の流用なんだろう。
太陽の加減で手摺りの黒い影がその枕木の上に映り、ちょうどまだそこにレールがあるようだ。


Old_brd_03
戻ろうとしたら、ちょうど下りの『特急あずさ』が隣を疾駆してきた。
おどかすな。
時間的に『あずさ2号~♪』じゃないだろうけどね。

行ってらっしゃ~い (^_^)/~

| | コメント (0) | トラックバック (0)

忘れ去られたアーチ橋台【後編】

忘れ去られたアーチ橋台【前編】から続く。

アーチの真横から、向こう側を見通してみる。

Sasago_07
美しいアーチ部分を通したその向こうには、新線の高架が美しく映えている。
当然のことながら、建設当時にこちらの高架はなかった訳だから、まさかこのアーチ橋台を築いた旧線の技術者も将来こんな風景になるとは想像もしなかったことだろう。


Sasago_08
さらに伝って橋台の先端部分まで回ってみると、管理用なのだろう、上部まで登れる古びた鉄製のハシゴ段が取り付けられていた。
残念ながら、かなり傷んでいるので取り付くのは差し控える。
万一落ちたら、下は笹子川だものね。


Sasago_09b
再び橋台の上に戻り、先端部から対岸を見渡してみた。
中央本線は高架で笹子川を渡り、新天神山トンネルへと吸い込まれていく。
ちょっと林を挟んだその左手に、反対側の橋台があるのがわかるだろうか。(矢印)
おそらくプレートガーダーだったろう旧橋は、その後どうなったんだろう。
どこかでまた第二の人生を送っていたらいいな。


Sasago_10
そんなことを想像していたら、折良く新線を電車が通り掛かった。
それも上りと下りと同時に。
そう、そうした往復の通行ができないからこの橋台は打ち棄てられたんだよね。
そしていま、ごく稀にこんな変わり者のおっさんが訪れるだけの所になっている。

【お終い】

現役当時の写真発見記事はこちら

現場で撮影したよくわかる動画はこちら
                

・中央線遺構・立場川橋はこちら
・中央線遺構・日野春駅給水塔はこちら
・中央線遺構・須玉九差路交差点はこちら
・中央線遺構・旧深沢トンネルはこちら
・中央線遺構・旧横吹第2トンネル西口はこちら
・中央線遺構・旧横吹第2トンネル東口はこちら
・中央線遺構・旧笹子トンネルはこちら
・中央本線遺構の小ネタはこちら

| | コメント (0) | トラックバック (0)

忘れ去られたアーチ橋台【前編】

中央本線は何回も曲線改良が行われた路線。
また複線化工事の際にも多くの付け替え工事が行われたため、廃線になった部分も多い。
そんな旧中央本線の遺構をまた探索してきた。
場所は前に訪問した旧天神山トンネルの、笹子川を挟んだ対岸になる。

Sasago_01

石垣が組まれた畑の向こう、一段高くなった山肌の電柱が見える部分を中央本線が通っている。
実はその向こう側に、かつての旧線が走っていたという。
その跡を探索してみたものだ。


Sasago_02
農道を抜け、さらに進むと林の中に屹立する高架が目に入った。
これが現行の高架。この上を中央本線が走っている。


Sasago_03
その高架下を潜り、さらに進むと何やら石造りの巨大な構造物が現れた。
これが今は廃止となった、旧中央本線の遺構。
正式名を旧『初狩側第三笹子川橋台』と言う。
ちょうど笹子川の反対側から見た、これ(右側)になる。
(マウスを置くと画像が切り替わります)


Sasago_04
当然のことながら、土手の上まで登ってみる。
そしていま立っているのが旧中央本線の路盤だったところ。
これは東京側を見て撮影している。
レールや枕木等は完全に取り除かれている。


Sasago_05
こちらは反対の、笹子川を渡る甲府側(天神山)。
1966年(昭和41年)の複線化工事まで使われていたというから、廃止後約50年。
路盤の上に芽吹いた樹々もだいぶ育ってきたようだ。
路盤跡からいったん降りて、橋台の脇に回ってみる。


Sasago_06
向こう側から眺めた時は木陰に隠れていたこともあって、ただの単純な橋台だと思っていた。
ところが横から見てみると、実は2連のアーチ構造だったことがわかった。
なんと美しい造形美ではないか。
どこか桂川の水路橋を彷彿とさせる気もする。
こうした見てもらえない所にも精緻を凝らすのが日本技術者のプライド。
まさにジャパン・スタンダードなのだ。

忘れ去られたアーチ橋台【後編】に続く。

| | コメント (2) | トラックバック (0)

ブドウを運んだ祝橋

フルーツの町・勝沼にも眼鏡(めがね)橋があるというので訪ねてみた。

Iwaibashi_01

1931年(昭和6年)完成。
山梨県道34号にあり、すぐ脇に新しい橋が架けられているので現在は歩道専用として使われている。
散り重なった落ち葉が、もうしばらくクルマが来ていないことを物語っているね。
橋自体を観察してみたいが、こちら側からは降りられないのでぐるっと新橋から反対に回ってみる。


Iwaibashi_02

橋の袂から川まで降りる急坂があった。
その途中から橋を眺めたのがこれ。
大正期に勝沼駅(現:勝沼ぶどう郷駅)が設置されたため、そこまでトラックで名産の葡萄(ぶどう)を出荷するため道路(白井甲州線)が計画された。
この橋はその道路途中の笛吹川の支流・日川を跨ぐために架けられたものという。
地元では「眼鏡橋」と言われているそうだけれど、でもこれは眼鏡じゃないよねえ。


Iwaibashi_03

コンクリート製アーチ橋で延長約60m。
真下にある堰堤が景観を削いでいるような。
橋は特に痛みなど見当たらず、まだ十分に使えそうだけれどね。
1997年(平成9年)、国の登録有形文化財(土木建造物)に指定されている。

・三島の眼鏡橋こちら
・白浜のめがね橋こちら
・第二東名の新富士川橋こちら

| | コメント (0) | トラックバック (0)

秩父・小鹿野の廃吊橋

小鹿野町の洋館から今度は武州街道(国道299号線)を西進。
やがて国道は赤平川を越えるが、その手前で旧道に分け入る。

Ogano_br_01
すると対岸に赤い鉄橋が緑の中にうかがうことができる。


Ogano_br_02
赤い鉄橋は残念ながら廃橋。
渡り口は材木で頑丈に封鎖。
立入禁止の看板は厳ついが、上部に波板の三角屋根が付けられているのはご愛敬?


Ogano_br_03
真夏のこととて緑が濃いが、赤いのがすべて鉄骨で構成されたこの廃橋の姿。
吊橋なのに、主橋まで鋼製トラス構造というのはかなり珍しい。


Ogano_br_04
鉄骨は残っているが、歩くための踏み板がすでに欠落。
足元が丸見えになっている。


Ogano_br_05
これが下まで降りて見上げた廃橋の姿。
吊橋であることが良く見える。
また此岸(こちら側)の主塔が川底から建っていたのに比べ、彼岸の主塔は土手の上に建てられているのがわかる。
橋が出来たのは4~50年ほど前のことらしいが、詳しいことはわかっていない。


Ogano_br_06
ぐるりと国道を迂回し、反対側に回ってきた。
小高い丘になっているのでこちらは道が切り通しになっている。
もちろん通行止め。


Ogano_br_07
柱の隙間から覗いてみた。
わずかに踏み板は残るが、こちらもほとんどスカスカだ。
渡れる?
水面までの高さは10mほどだが、それでも落ちたらヤバイぞ。

| | コメント (4) | トラックバック (0)

より以前の記事一覧