丹沢に散った戦闘機の影

オイ沢探検と同じ日、あるモノが見たくてキュウハ沢という所を訪ねていた。
東丹沢はヒルの名所なので、なるべく回数を避けたかったからね。

Quha_01
車止めから先は、ひたすら登るばかりの林道を行く。
傾斜はキツイが、路面はいいのでここはもちろんチャリの出番。
なに、これで行きは40分、帰りは10分だ。(^.^)v


Quha_02
とはいえ、脇の沢を見上げると、こんな大岩が。
こんなのに見舞われたら、チャリもろとも谷底行きのお陀仏だ。

林道終点にチャリを止め、あとは沢沿いに遡行する。
いくつかの大堰堤を乗り越えると……


Quha_03
見えた!
これが今回の目的、墜落した戦闘機のエンジンだ。
右の杭は慰霊の墓標。
60年以上経った今でもお供えの絶えることがない。

このエンジンの素性にはいくつもの説があるが、信頼できるのは旧陸軍4式戦闘機『疾風』(はやて)のエンジンというもの。
疾風は旧中島飛行機が最後に送り出した高速重戦闘機で、「帝国陸軍の新鋭戦闘機」と言われた名機。
なお中島飛行機が今のスバル(富士重工業)の前身だというのは知っているよね。


Quha_04
クルマなら到底考えられない、空冷複式18気筒エンジン。
正式名を『誉ハ-45』と呼ぶそうだ。
星形9気筒のエンジンが2段重ねになっているんだね。
ピストンが失われ、コンロッドまで飛び出してしまっているのが物悲しい。
(マウスを置くと画像が切り替わります)


Quha_06
実はこのキュウハ沢の上流に、さらにもう一基エンジンが埋もれていたという。
もちろん探索してみたけれど、残念ながらすでに落石に埋もれてしまったらしく、どうしても見つけることはできなかった。
(ネットでもここ数年に確認された写真は見当たらない)

周囲の状況がよくわかる動画はこちら
                

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オイ沢鉱山の坑道跡

丹沢・宮ケ瀬湖の一角。
やまびこ大橋の近くの無名の沢に、まだほとんど知られていない坑道跡があるとの情報で訪ねてみた。

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宮ケ瀬湖は中津川をせき止めてできた人工湖。
神奈川県民・水道の大切な水がめだ。
ここは整備された宮ケ瀬湖畔園地で、彼方に見えるのは「水の郷大つり橋」という。
ここに限らず、宮ケ瀬湖の湖畔には桜の樹が多い。


Oisawa_02
振り返った上は県道64号線。
橋がこんなに高いのは、万一の満水時には水位がここらへんまで上がる可能性もあるからだ。
実際、歩きながらGPSを見たら、表示では湖の中を歩いてた。(>_<)

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突然現れたのは、「まむし注意」の看板。
東丹沢なのでヒルには注意をして来たけれど、マムシかよ。
なに、マムシが出たら、自慢のヘッデンで照らしてやるっ。
どうだ、マムシ~だろ。


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それでもここならクマの心配はないし、沢の上流は穏やかな渓相で、気分が和む。
まるで上高地を散策しているよう?
ちなみに国土地理院の地図では「オイ沢」だけど、地元では「及沢」と表記されている。


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本流から離れ、いよいよ目的のオイ沢を遡っていくと……
見えた! あの穴が目指す坑道だ。
入口は自然石のようだけど、迫力のある形をしていてテンション上がる。Yajirushi2sss
(マウスを置くと画像が切り替わります)

Oisawa_06
内部は真っ直ぐに相当長く続いていて、かなりの規模であることが窺われる。
でも下にはかなりの水が流れ続けている上に、虫がたくさん飛んでいてテンション下がる。Yajirushi4sss
水の少ない今の時期でこれだもの、雨の頃は到底入れまい。
じゃあ、今なら入れ?
やだ。
虫、キライだもの。


いろいろ調べたけれど、ここの鉱山の情報が見つからず、何を掘っていたのかもわかりません。
どなたか、この鉱山の謂われをご存じでしたら教えてください。

現場で撮影したよくわかる動画はこちら
                


玄倉鉱山跡はこちら
渋沢鉱山跡はこちら
坂口鉱山跡はこちら
坂口鉱山跡パート2はこちら
東沢鉱山跡はこちら
日影沢鉱山跡はこちら
麓金山跡はこちら
玄倉鉱山跡パート2はこちら
山田鉱山跡はこちら
奥沢鉱山跡はこちら
富栖鉱山跡はこちら
須玉(増富)鉱山跡はこちら
川尻鉱山跡はこちら
梓山鉱山跡はこちら
大仁鉱山跡はこちら
明神鉱山跡はこちら
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・矢筈山鉱山跡はこちら
・縄地鉱山跡はこちら
・茂倉鉱山跡はこちら

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暮秋『風の吊り橋』

『風の吊り橋』
Togawa
ちょっと見、南ヨーロッパの高原のよう?
異国風の橋の名前は『風の吊り橋』。
主塔のデザインをローマ風の石のイメージで造ったので、異国情緒が感じられるんだね。

実は神奈川県秦野市にある戸川公園という所。
水無川扇状部に位置しているため、丹沢からの吹き下ろしの風の通り道となっていることからこの名が付けられたそうだ。
その名のように、本四連絡橋と同程度の風(風速80m) にも耐えられるのが自慢なんだって。

風、つよーおますな~
京風ハローどすから~

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滝口沢が台風で……

久しぶりに丹沢の滝口沢に寄ってみた。
そしたらタイヘン。

 埋まった滝口沢 (拡大します)
 
沢には大きな落石や流木が山のように埋まっている。
途中の道路もまだ修復のため片側通行だったし。
みんな、今年襲った台風の爪跡なんだね。

 
それでもF1のヒョングリは健在だった。
良かった。
ここの岩盤は強固だからね。

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凍てつく本棚・下棚

 凍てつく下棚 (拡大します)

前回、地獄棚に行った時のものだけど、こちら半氷結の西丹沢・下棚(しもんたな)。
完全結氷じゃないけど、冷たいよ。

 ロープも凍る

お助けロープまで凍ってる。
これじゃ、助けられない。

 本棚

こちらお隣の本棚。
見ただけで寒くなるね。

前にも書いたけど、本棚といっても本がある訳じゃない。
西丹沢で棚というのは滝のこと。
だから、神様のいる滝なら「神棚」、戸のある滝なら「戸棚」って言う訳。
おい、そうダナ?

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雪の西丹沢『モロクボ大滝』

4年前にも行った冬の西丹沢・モロクボ大滝を、また訪ねてみた。
ここは水量があるので氷結はしないけれど、滝の形がすこぶるいいので好き。
「丹沢一」と評する人も多いという。

 一番乗り! (いずれも拡大します)

今はもう閉ざされた白石沢キャンプ場へと渡る橋には、動物の足跡ばかり。
楽せずに、お前たちはちゃんと川を渡れ!

 滝が見えた

ここはずっと手前から滝が見通せる、珍しいシチュエーション。
真正面が目的のモロクボ大滝だ。
雪が岩を覆って歩きにくい。

 モロクボ大滝

相変わらず『美形』のモロクボ大滝。
周囲の岩肌の険しさがまた美しくね?

 動画はこちら 

半氷結の遺言棚訪問はこちら
ほぼ氷結の地獄棚訪問はこちら

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氷結! 西丹沢の秘瀑『地獄棚』

東京でもだいぶ寒い日が続いたので、氷瀑を期待して西丹沢の『地獄棚』に行ってきた。
地獄棚訪問はほぼ3年ぶりのこと。
冬季に行くのはもちろんこれが初めてだ。

 凍った水面 (いずれも拡大します)

途中、水辺に降りてみた。
流れている筈の水面も、ほとんどが氷で覆われている。

 地獄棚・全景

これが地獄棚の全景。
普段から水量が少なく、なめ滝(緩やかな傾斜で滑らかに流れる滝)なので期待通りほとんどの部分が氷結していた。
名前の通り、迫力があるね。
「私、凍っても凄いんです!」

 地獄棚・上部

 地獄棚・下部

 雨棚方面

右手には雨棚からの流れが合流する。
こちらは水量があるので凍らない。

 先客は誰?

数日前の雪が辺りを覆い尽くした。
それ以来、僕より先の滝見客は山の小動物だけ?

前回の地獄棚訪問はこちら
半氷結の遺言棚訪問はこちら
雪のモロクボ大滝訪問はこちら

 動画はこちら 

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空中浮遊する樹

ほぼ3年ぶりに西丹沢・仲ノ沢径路を通った。
初めての時は迷ったり、足場が悪く途方に暮れたり大変な冒険に思えたこの道も、いまでは簡単に歩けるから進歩したものだ。

すべてが懐かしく思えた中、一つだけ納得できないことがあった。
それはこの樹。
以前はこんなの見なかったぞ。

空中浮遊する樹 (拡大します)

何回見ても、この樹、浮かんでいるよね ?(゚_。)?(。_゚)?
もちろん、画像の細工なんかしていない。

わっ 空中浮遊だぁ!
(冬~ 限定)

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半氷結の丹沢・遺言棚 見た

鉱山跡探検ついでに半結の遺言棚に行ってきた。
ハンケツといっても、半分お尻を出した小学生ではない。
半分氷結した滝だ。

西丹沢・玄倉川水系同角沢にある名瀑(?)『遺言棚』。
(丹沢で、棚というのは滝のことね)
遺言棚はあまりの難所なので、「滝を観るには遺言を書いてから行け」という逸話があるからと言うが、実際にはそれほどのことはない。
みんな生きている。

実はこれが2度目のトライ。
前回は2006年11月のことだから、3年ぶりということになる。
まだ未熟だった前回は滝口から降りることができず、実際に滝本体を目にすることはできなかったのだ。

 『遺言棚』全景 (いずれも拡大します)

今回は滝下まで降り、初めて見上げた3段で約45mの雄姿。
前回と季節は1か月しか違わないので、まさかこんなに凍っているとは思わなかった。

 つらら

滝の周囲にはこんなにたくさんのつらら。
寒いんだねえ。
こんな所で遭難したら、一晩で凍るど

ほぼ氷結の地獄棚訪問はこちら
雪のモロクボ大滝訪問はこちら

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丹沢モチコシ鉱山、新たなる坑道

もしかして武田金山の跡? とも言われる西丹沢の鉱山跡を探検したのはもう3年も前になる。
険しい急勾配で、当時の僕にとってはたいへんな大冒険だった。
そしたらつい最近、イガイガさんのところで反対側にも坑道があったという話を聞いた。
これはどうしても、もう一度行ってみなければなるまい。


 崖の上のアナ
Mochikoshi21
場所はモチコシ沢源頭部・右岸(下流に向かって右側)。
左側に小さく見えるのが新たに確認した坑道入り口。
かなり高い位置にあるので前回はまったく気がつかなかった。


 坑道入り口
Mochikoshi22
下からは見にくいが、近くに寄ってみると結構大きな坑道だ。
前回の左岸のものよりずっと規模が大きいことがわかる。


 坑道の内部
Mochikoshi23
坑道は内部も広く、しっかりとしていた。


 坑道入り口2
Mochikoshi24内部から入口を振り返ったところ。
そうさ、ハナから逃げ腰なのさ。


 帰路も万全
Mochikoshi25
前回は帰りに苦労したので、今回は万全の複数ロープ持参。
とりわけ最上部が急傾斜の上にザレて滑りやすく、戻るのに難儀するのだ。

(ご注意)
これは一般登山道ではありません。
この記事を元に行かれるかたは、自己責任においてお願いします。

 動画はこちら 

たなぼた鉱山シリーズ
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